BacTrack 4 導入済の脆弱性実証テストツール Metasploit Framework の GUI ツール Armitage の Hail Mary 機能を試してみた。
Hail Mary 機能は、対象マシンの OS バージョンやサービスポートに合わせて、複数の脆弱性を自動的に試してくれる。

Metasploit Framework は、ruby で書かれた多数の脆弱性検証スクリプトをまとめて提供している。
BackTrack 4 R2 には最新の Metasploit が入っており、Java も最新なので、Armitage もすぐに使える。

Armitage のサイトで、最新の実行ファイル tgz(linux) をダウンロードする。
http://www.fastandeasyhacking.com/download

root@bt:~# tar xvzf armitage031211.tgz
root@bt:~# cd armitage

Metasploit をアップデートする。

root@bt:~# msfupdate

Mysql を起動。

root@bt:~# /etc/init.d/mysql start

Metasploit RPC daemon を起動。
mysql の起動とこの起動は毎回同じなので、シェルスクリプトにした。

root@bt:~# msfrpcd -f -U msf -P test -t Basic
[*] XMLRPC starting on 0.0.0.0:55553 (SSL):Basic...

Armitage を起動する。

root@bt:~# cd armitage
root@bt:~# ./armitage

コネクト画面での入力はそのまま。Use SSL にチェックを入れる。

Hosts > MSF Scans を実行し、Nmap Scan > Quick Scan(OS detect) を実行する。

scan range にポートスキャンするネットワークアドレスを入れる。

しばらくするとターゲットが表示される。 Windows XP を自動判別している。

Attacks > Hail Mary > by port を実行する。

192.168.0.1 はルータで、.11 がターゲットの MSI U100 ネットブック(Windows XP SP3)。
OS に合わせて、自動的に複数の Exploit を次々と試している。

 

MS08-067「Server サービスの脆弱性により、リモートでコードが実行される (958644)」で、セッションが張られ、.11 がコントロール可能になった。

実際には、予めターゲットマシンで、MS08-067 のパッチ、Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB958644) をアンインストールしており、McAfee もストップしている。

.11 の右クリックメニューでハッキングが可能になる。
ユーザーとパスワードのハッシュ値を表示。

 

コマンドプロンプトをリモート実行。

スクリーンショットを取得。

Webcam の画像を取得。

その他、プロセス表示、ファイルブラウザ、キーロガー、VNC でリモートディスクトップ接続までできる。

この様に脆弱性を利用されると完全にコントロールされてしまうが、ウイルス対策ソフトと、Windows Update 等で、常に最新のパッチが当たっている場合、Metasploit でハックするのは難しい。

今回は、ターゲットの Win XP マシンで予め、KB958644 をアンインストールし、ウイルス対策ソフトも一時ストップした。

ただし、本物の悪性コードでパッチ未提供の脆弱性を攻撃される場合もあるかもしれない。
脆弱性は止むを得ないのかもしれないが、Windows の場合は、多少割高でも大手メーカーのウイルス対策ソフトが必要だと思う。